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就業規則

就業規則が無いと…

就業規則が無いと…こんなことに!

就業規則は、常時10人以上の従業員を雇用する場合は、その作成と届出が義務づけられています。では、10人に満たない人数しか雇用していない事業所では、就業規則が無くても良いのでしょうか?

法律で義務づけられていないと言っても、無くてもよいわけではありません。就業規則が無いばかりに、会社が不利になることもあるのです。もちろん届け出る必要はありませんが、就業規則を作成しておくことをお勧め致します。

就業規則を作成又は変更した場合、従業員代表者の意見を聞かなくてはなりませんが、少人数のうちに作成しておけば、既得権を持つ従業員が存在しないうちに経営者(社長)の理念や方針を充分に固めて就業規則に反映させることができます。
特に新設の会社の場合、従業員を雇用する前に作成しておき、面接の際にその規則を見せることにより、採用後の労使トラブルを防ぐ効果があることはご理解いただけることでしょう。

業務命令違反の従業員を懲戒処分で減給にできない?

そうなんです。労働基準法では、一定額までなら減給は可能となっているのですが、懲戒処分として減給をする場合は、就業規則にその根拠条文が必要となります。また、出勤停止による自宅待機や懲戒解雇、あげくには始末書さえ取れないこともあるのです。

就業規則が無いと絶対に解雇はできないか?

実は解雇は可能なのです。労働基準法でも所定の手続きさえ取れば解雇はして良い事になっています。しかし、懲戒解雇が相当である場合でも、普通解雇として取り扱わなければなりません。
つまり、30日以上前に予告するか、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当が必要となるのです。

転勤や出向、配置転換さえ制限される?

今の法律では、採用時に「労働の場所」「業務の内容」を明示しなければなりません。しかし、後々転勤や出向、配置転換をしなくてはならなくなることは多々起こりえます。ところが、就業規則にその旨の記載が無ければこのような事もできないとされているのです。
もっとも、労使で話し合った結果、従業員が納得して異動するのであれば問題にはならないのですが…。

えっ? 残業もさせちゃいけないの?

はい、そうです。労働基準法では残業は禁止されていることをご存じでしょうか?
労働者に残業を命ずるための要件として、最高裁の判断によれば、就業規則で残業をさせることができる旨定めてあり、尚かつ、三六協定の締結届出があり、その範囲内の業務及び時間に限るのです。
つまりは、就業規則が無い場合は、残業をさせることはできないという事になります。

では、就業規則が無い10名以下の事業所はどうしたら良いでしょうか?

第一には、早急に就業規則を作成することでしょう!
でも、従業規則を作成する時間も金も無いと言われる会社もあることでしょう。
そのような場合は、個々の労働契約書を厳格に作成して対応するようにします。
採用時における労働条件を文章で明示することは、従業員の人数に関係無く義務づけられていますので、これを利用して、労働契約書として活用し、その中に上記のような内容を全て網羅しておけば、多少なりとも会社の保全に繋がることと思います。

しかし、本来はその両方を併用して会社を守るべきでもあるのですが…!



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