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基本給を基にしないとダメなの?
大半の企業では、賞与の計算方法として、「基本給連動型」と呼ばれる「基準日の基本給に支給月数を掛けて計算する」という方法を採用しています。
しかし、このやり方は全くと言って良いほど意味がありません。
一般的に基本給は従業員の生活を直接支えるものですから、通常は生活給的要素が非常に強く運用されています。これは例え職能給であっても同じです。
しかも、基本給のほとんどは、多かれ少なかれ年功序列型となっています。
このように年功序列的に運用されている基本給に支給月数を乗じて計算される賞与は必然的に年功序列型になってしまいます。
賞与本来の性格が成果配分であるとすれば明らかに不合理な計算方法となります。
また、給与制度は経営環境や人事政策に応じて柔軟に決定されるべきものです。
しかし、賞与や退職金の計算が基本連動型では、給与体系を変更するということは、賞与や退職金までいじらなくてはならなくなるのです。
- 賞与制度の基本は利益配分である。
- 基本給連動型賞与制度は全く意味がない。
- 賞与制度は限られた原資を、一定のルールで配分する「ポイント制」を採用する
ことが適当。 - ポイント賞与制度を採用する場合には、従業員に毎月の業績状況を伝えることが
重要。
退職金も同じように、「基本給×勤続年数係数」で算出している会社が多いようです。しかし、これからの大量退職時代に支払っていけるのでしょうか?
ポイント制退職金制度は在職中の貢献度を退職金に反映をさせる退職金制度で、退職金の計算は概ね次のようになります。
(勤続ポイント累計 + 資格ポイント累計) × ポイント単価
この制度のメリットとしては、在職中の貢献度をに退職金に反映させることができるため、近年の能力主義/成果主義の発想に馴染み易く、導入事例も多い。
また、個人毎に退職金がいくら貯まっているのか一目瞭然で、どのようにすれば退職金が増加するのかが分かるため、社員の動機付けに活用し易い。
導入に際して、比較的従業員の同意が取り易い等が有りますが、反面デメリットもあり、退職金計算の際、過去の人事履歴を全て把握することが必要なため、管理が煩雑である。
また、確定給付型の制度であるため、その運用リスクが会社に残るといったマイナス面もあります。